論文読みの手法を、Andrew Ngの講義動画から学びます。
はじめに
最近AI関連を調べている中で、論文に目を通す機会も増えてきました。
そんな中、かのAndrew Ng先生がStanford CS230の講義のなかで論文の読み方について講義している動画を見つけました。
今回はこの講義から、論文の読み方のコツを備忘録にメモします。
なお上記動画では、
- 読む論文の選び方
- 一本の論文の読み方
- AI領域におけるキャリアアドバイス
など多岐にわたって講義されています。
本記事ではこの中から、"一本の論文の読み方"について整理します。 それ以外にも興味がある方は、ぜひ上記動画をご覧ください。
Andrew Ngに学ぶ論文の読み方
論文を読む
論文を読むときに、いきなり冒頭から末尾までを一字一句読み通すやり方は推奨しません。
かわりに何段階かに分けて読んでいくのがおすすめです。
- Title / abstract / figureだけを読む
- Introduction / conclusions / figureを少し丁寧に、それ以外をざっと読む
- 全部読む (ただし数式を除く)
- 全部読む (ただし意味のない部分は飛ばす)
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まずはタイトルとabstractに目を通して、論文全体の内容をざっと把握します。
そして特にDeep Learningの領域では、モデルアーキテクチャなどの重要な情報がfigureに整理されていることが多いので、figureにも目を通します。
ここまでが1段階目のざっと全体を把握する読み方です。
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次は、introductionとconclusions、そして全てのfigureを読みます。
科学論文においては、abstractとintro、そしてconclusionに筆者らの主張が濃縮されています。
これは論文執筆者側の立場としては、論文を出版するプロセスのpeer reviewにおいてレビュアーを説得するために特に力を入れがちな場所、とも言えます。
ちなみに、Related workの章はざっと眺めるか読み飛ばしても構いません。 この部分は、論文のレビュアーになりそうな人の論文を引用して論文をacceptしてもらいやすくする、みたいな下心のある動機で書かれてたりするからです。
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その後は、数式を除いて一通り読んだ後、"意味のない部分"を除いてまた全て読みます。
"意味のない部分"というのは古い論文にありがちで、今となってはあまり重要でないと考えられる部分を指しています。 例えば過去の歴史的な重要論文であっても、その論文が執筆された当時は、どの部分が重要なのか論文執筆者たちにとってもわからないものです。 後から見れば重要でない内容に、多くの紙面が割かれていることもあります。 それらが読み手にとって知りたい内容から乖離する場合は、優先順位を落としてしまって良いでしょう。
理解を確かめる
論文を読んだら、以下の問いに基づいて自分の理解を確かめると良いでしょう。
- 筆者たちは何を成し遂げようとしてるのか
- アプローチの鍵となる要素は何か
- 自分自身が活用できるものは何か
- 次に読みたい引用論文は何か
誰かと論文について議論するときも、これらの観点を念頭に置くと良いでしょう。
おわりに
Andrew Ng先生による論文の読み方のコツをメモしました。
研究をやってた大学時代は、あまりちゃんと考えずにひたすら論文の乱読をしていた気がします。 今後はこうしたノウハウを取り入れていきたいところです。
以上、どなたかの参考になれば幸いです
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