有料版AsepriteとOSS版Asepriteの違いを調べてまとめます。
はじめに
Asepriteは有料版がSteamで販売されています。 一方で、ソースコードがGitHubに公開されているため、以前記事にも書いたように自分でビルドすれば無料で使うことも可能です。
この有料版と無料OSS版の違いが気になったので調べてまとめます。
※ 補足: 厳密には"OSS"ではない
Asepriteはソースコードが公開されていますが、厳密にはOSS(Open Source Software)ではありません。
Aseprite作者のdecap氏もこうコメントしています:
Also Aseprite has an "open development process" more than being "open source."
「Asepriteは"オープンソース"というより、"オープン開発プロセス"です」
ライセンスについてはAseprite公式FAQにも記載があります:
Aseprite started being open source since its very beginning in 2001, and we were happy with that until August 2016. Now you can still download its source code, compile it, and use it for your personal purposes. You can make commercial art/assets with it too. The only restriction in Aseprite EULA is that you cannot redistribute Aseprite to third parties.
「Asepriteは、2001年の初期からオープンソースとして始まり、以降上手くいっていましたが、2016年8月に変更されました。 現在でもソースコードをダウンロードしてコンパイルし、個人的な目的で使用することが可能です。 また、商業用のアート/アセットを制作することもできます。 ただし、Asepriteのエンドユーザーライセンス契約(EULA)では、Asepriteを第三者に再配布することが禁止されています」
ということで、再配布禁止のEULAでライセンスされており、厳密にはOSSではありません。
Asepriteライセンスの詳細についてはこちらに公式の説明がありますので、興味があればご覧ください。
有料版Asepriteと無料OSS版Asepriteの違い
無料でソースコードからビルドして使う場合、元として使えるのは当然ソースコードのみです。 そこからの各OS向けのビルドを作るのも、不具合に対応するのも、バージョンを更新するもの全て自前で行うことになります。
有料版のAsepriteを購入した場合、下記が手に入ります。
- Windowsインストーラーおよびポータブルな.zipアプリ
- macOSアプリ/.dmgパッケージ
- Ubuntu 18.04以降向けの32-bitおよび64-bit用.debパッケージ (Fedoraなど他ディストリビューションでも実行可能)
- 自動更新を受けるためのSteamキー
- v1.9.までの更新サポート
- メールでの優先サポート
参考: Aseprite - Faq
各OSごとにすぐに使えるアプリが手に入り、バージョンアップもサポートされているのは、ソースコードからビルドする方法に馴染みがないユーザーにとって嬉しいですね。
一方、Asepriteそのもの機能については、有料版も無料でソースコードからビルドした場合も違いはありません。 あくまでAsepriteアプリを用意するまでの過程とそのサポートについての差があるだけで、最終的な製品の機能については差がありません。
おわりに
以上、有料版Asepriteと無料OSS版Asepriteの違いをまとめました。
とりあえず最終製品の機能には有料版と無料公開版に違いがなさそうということで、ソースコードからビルドして使っている身としては安心です。
無料で使わせてもらってる分、不具合を見つけたらPull Request送って貢献したいところです。
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